マーケティング手法を一覧で把握したい。そう思って調べ始めたものの、「種類が多すぎて、結局どれを選べばいいのか分からない」と感じていませんか。
本記事では、主要なマーケティング手法22種類を「Web集客系」「リード育成系」「オフライン系」の3つに分類し、一覧で解説します。さらに、自社に合う手法の選び方と最新トレンドまでまとめました。
読み終える頃には、手法の全体像が頭の中で整理され、「自社が最初に取り組むべき手法」を根拠を持って選べるようになります。
筆者はBtoB・BtoCの現場でマーケティングを実践し、人材系事業では半年で売上1.5億円、SEOでは半年で5,000万円の売上をつくってきた実務家です。
実際に使って成果が出た手法・出なかった手法の肌感覚も交えてお伝えします。

マーケティング手法の種類と分類【全体像】

マーケティング手法は無数にありますが、目的で分類すると全体像がつかみやすくなります。本記事では次の3分類で22の手法を整理します。
読み方のおすすめは、最初に分類表で全体をつかみ、次に自社に関係しそうな分類だけを拾い読みする方法です。すべてを暗記する必要はありません。
| 分類 | 主な目的 | 代表的な手法 |
|---|---|---|
| Web集客系 | 新しい見込み客と出会う | SEO、Web広告、SNS運用など |
| リード育成系 | 見込み客と関係を深め購入につなげる | メール、MA、ウェビナーなど |
| オフライン系 | 対面・紙媒体で認知や信頼をつくる | 展示会、チラシ、紹介など |
重要なのは、手法は「集客して終わり」ではなく、集客から育成、購入までの流れで組み合わせて使うものだという点です。この視点を持って、一覧を見ていきましょう。
なお、22という数に圧倒される必要はありません。実際に1つの会社が使う手法は、多くても4〜5個です。
全体像を知る目的は「選択肢を知ったうえで、捨てるため」だと考えて読み進めてください。
Web集客系のマーケティング手法9選

まずは、新しい見込み客と出会うためのWeb系手法です。現在のマーケティングの中心と言えます。
1. SEO(検索エンジン最適化)
検索結果で自社サイトを上位表示させ、継続的に集客する手法です。成果まで数か月かかりますが、資産として積み上がるのが強みです。
筆者はSEO経由だけで半年で5,000万円の売上をつくった経験があり、検討期間の長い商材と特に相性が良いと感じています。
SEOで大切なのは、記事の量ではなく検索意図への合致です。顧客がどんな言葉で検索するかを起点に、悩みに答える記事を積み上げていきます。
2. コンテンツマーケティング
記事・動画・事例集などの役立つコンテンツで見込み客を引き寄せ、信頼を育てる手法です。SEOやSNSと組み合わせて使われます。
売り込みが嫌われる時代に合った、中長期の王道手法です。
3. リスティング広告(検索連動型広告)
検索キーワードに連動して表示される広告です。「今まさに探している人」に届くため、成果が出るのが速いのが特徴です。
少額から試せるので、需要検証の第一手にも向きます。
一方で、人気キーワードはクリック単価が高騰しやすく、採算管理が欠かせません。獲得単価の上限を決めてから運用を始めるのが鉄則です。
4. ディスプレイ広告・リターゲティング広告
Webサイトやアプリの広告枠に画像や動画で出す広告です。一度サイトに来た人を追いかけるリターゲティングは、検討中の顧客の取りこぼし防止に有効です。
5. SNS運用(Instagram・X・TikTokなど)
アカウントを運用して認知やファンを増やす手法です。広告費をかけずに始められますが、成果には継続と企画力が必要です。
BtoCや採用広報と相性が良い手法です。
成功の鍵は「誰に向けた何のアカウントか」を最初に固定することです。ここがぶれると、フォロワーは増えても売上につながりません。
6. SNS広告
SNS上に配信する広告です。年齢・興味関心などで細かくターゲティングでき、まだ検索していない潜在層に届けられるのが強みです。
ビジュアルで魅力が伝わる商材に向きます。
7. 動画マーケティング(YouTube・ショート動画)
動画で商品理解や信頼を深める手法です。文章より情報量が多く、人柄や使用感が伝わりやすいのが特徴です。
近年はショート動画経由の認知獲得が存在感を増していると言われます。
凝った編集よりも、顧客の質問に答える等身大の動画のほうが成果につながる例は多いです。まずはスマートフォン1台で始められます。
動画は制作の手間が課題になりやすいため、1本の動画を切り出してSNSやサイトに再利用する前提で企画すると効率的です。
8. インフルエンサーマーケティング
影響力のある発信者に商品を紹介してもらう手法です。フォロワーとの信頼関係に乗れるため、広告より自然に受け入れられやすい一方、起用相性の見極めが重要です。
9. アフィリエイト広告
成果報酬型で、メディアやブロガーに商品を紹介してもらう手法です。成約時のみ費用が発生するためリスクを抑えやすいですが、紹介のされ方の管理には注意が必要です。
Web集客系を選ぶ際は、「今すぐ客」を狙うなら検索系(SEO・リスティング広告)、まだ探していない「そのうち客」に届けたいならSNS・動画系、と覚えておくと迷いにくくなります。
自社の商材が検索される商材かどうかが、最初の分かれ道です。
リード育成・関係構築系の手法6選

次に、集めた見込み客を購入まで導く育成系の手法です。BtoBや高単価商材では、ここの巧拙が売上を左右します。
10. メールマーケティング
メルマガやステップメールで見込み客に情報を届け続ける手法です。古いと言われることもありますが、獲得済みリストに低コストで届く手段として、今も費用対効果が高い部類だと実感しています。
件名の工夫や配信時間の調整だけでも開封率は変わります。まずは月2〜4回、売り込みではなく役立つ情報を送り続けることから始めましょう。
11. マーケティングオートメーション(MA)
見込み客の行動履歴に応じて、メール配信やスコアリングを自動化する仕組みです。リード数が増えて手動対応が限界になった段階で導入すると効果的です。
逆に、リストが数百件程度のうちは高機能なツールは不要です。ツール導入自体が目的化しないよう、規模に合わせて判断しましょう。
12. ウェビナー(オンラインセミナー)
オンラインで開催するセミナーです。移動不要で全国から集客でき、1対多で信頼を構築できます。
録画を二次利用すればコンテンツ資産にもなります。
集客はメールや広告と組み合わせるのが基本です。参加後のアンケートで相談希望を聞き、次の商談につなげる導線まで設計しましょう。
13. ホワイトペーパー
ノウハウ資料や調査レポートをダウンロード形式で提供し、連絡先を獲得する手法です。BtoBのリード獲得の定番で、営業リストづくりと相性抜群です。
テーマは「ノウハウ集」「チェックリスト」「調査データ」の3型が定番です。1本つくれば、広告や展示会など複数の場面で使い回せます。
14. LINE公式アカウント・アプリ
顧客と1対1でつながり、再来店や再購入を促す手法です。開封されやすく、店舗ビジネスやECのリピート施策として有効です。
登録のきっかけづくりが最大の関門です。初回特典など「登録する理由」を、レジ前や購入直後の場面に用意しておきましょう。
15. インサイドセールス
電話やメール、オンライン商談で見込み客を育て、商談化する内勤型の営業手法です。マーケティングと営業の橋渡し役として、BtoBで導入が広がっています。
育成系の手法は地味に見えますが、費用対効果の高い領域です。新規顧客の獲得コストは年々上がっていると言われるため、一度つながった見込み客を無駄にしない仕組みが、利益率を大きく左右します。
オフライン系のマーケティング手法7選

最後に、対面や紙媒体を使うオフライン系です。デジタル全盛の今こそ、差別化になる場面があります。
16. 展示会・イベント出展
業界の展示会に出展し、短期間で大量の見込み客と名刺交換できる手法です。獲得後のフォロー体制まで設計しておくことが成果の条件です。
展示会は名刺の枚数より、会期後1週間以内のフォロー速度が成果を分けます。お礼メールから商談打診までの段取りを、出展前に決めておきましょう。
17. セミナー・勉強会(リアル開催)
対面のセミナーは、ウェビナーより関係構築の深さで勝ります。高単価・信頼重視の商材では、いまだに強力な手法です。
18. テレアポ・ダイレクト営業
ターゲットリストに直接アプローチする手法です。効率は高くありませんが、狙った企業にピンポイントで届く確実性があります。
他手法と併用が基本です。
19. 郵送DM
紙の資料や手紙を送る手法です。メールより開封されやすく、決裁者に直接届きやすいのが利点です。
デジタル疲れの今、見直されていると言われます。
20. チラシ・ポスティング
商圏が明確な店舗ビジネスの定番手法です。エリアと訴求を絞り、クーポンなどで効果測定できる形にするのがポイントです。
反応率は一般に0.1〜0.3%程度と言われます。この前提を知っておくと、過度な期待も早すぎる撤退も避けられます。
21. マス広告(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)
広く一気に認知を取れる手法です。費用は大きいものの、地方ローカル媒体は意外と安価な場合もあり、地域ビジネスの選択肢になります。
22. 紹介・リファラルマーケティング
既存顧客からの紹介を仕組み化する手法です。信頼が乗った状態で始まるため成約率が高く、獲得コストも低いのが魅力です。
紹介特典や声かけのタイミングを設計しましょう。
オフライン施策は効果測定が難しいと思われがちですが、専用クーポンやQRコード、「何を見て知りましたか」というヒアリングを仕組みにすれば、十分に数字で評価できます。オンラインと同様、測って改善する姿勢が大切です。

目的別に見るマーケティング手法の組み合わせ例

手法は単体ではなく、組み合わせで機能します。よくある3つのケースで、定番の組み合わせを紹介します。
| ケース | 組み合わせの例 | ねらい |
|---|---|---|
| BtoBの新規リード獲得 | SEO+ホワイトペーパー+メール | 検索で集め、資料で獲得し、メールで育てる |
| ECの売上アップ | SNS広告+リターゲティング+LINE | 認知獲得、取りこぼし回収、リピート促進 |
| 地域店舗の集客 | 地図対策+チラシ+LINE | 商圏内での認知と再来店の両立 |
筆者がBtoB企業を支援する際も、「SEOで集める、ホワイトペーパーで連絡先を得る、メールとウェビナーで育てる」という3点セットを基本形にすることが多いです。1つの手法の弱点を、別の手法で補い合う設計が理想です。
組み合わせを考えるときは、「出会う→信頼を得る→買ってもらう→また買ってもらう」という顧客の流れに沿って、各段階を担当する手法を1つずつ置いてみてください。抜けている段階が一目で分かります。
なお、一度にすべての段階を埋める必要はありません。今の売上に最も近い段階(買ってもらう)から埋めて、順に上流へ広げるのが定石です。
マーケティング手法の選び方【4ステップ】

22の手法を紹介しましたが、全部やる必要はまったくありません。むしろ、絞れない会社ほど失敗します。
次の手順で選んでください。
選び方の軸は「顧客・自社・数字」の3つです。顧客がいる場所か、自社が続けられるか、採算が合うか。
この3つの問いを順に通過した手法だけが、実行の候補になります。
逆に言えば、話題性や流行だけで手法を選ぶと、この3つの問いのどれかで必ずつまずきます。地味でも問いを通過した手法が、結局は一番の近道です。
自社に合う手法を選ぶ手順4ステップ
- 目的と数値目標を決める:認知・リード獲得・リピートのどれを増やしたいか明確にする
- 顧客の情報行動を洗い出す:顧客が普段どこで調べ、何を見ているかを書き出す
- 候補を2つまでに絞る:予算・人員・得意分野から現実的に続けられる手法を選ぶ
- 3か月試して数字で判断する:小さく実行し、データを見て継続・撤退を決める

筆者の経験則では、リソースの限られた会社が同時に運用できる手法は2つが上限です。1つは即効性のある手法(広告など)、もう1つは資産になる手法(SEO・コンテンツなど)という組み合わせがおすすめです。
また、判断の期限をあらかじめ決めておくことも重要です。「3か月で問い合わせ月5件」のように基準を数字で決めておくと、撤退か継続かの判断で迷いません。
成果の出ない施策をずるずる続けることが、一番の損失です。
主要手法の費用・スピード・資産性の比較
選ぶ際の参考に、代表的な手法を3つの観点で比較しておきます。
| 手法 | 費用の目安 | 成果までの速さ | 資産性 |
|---|---|---|---|
| リスティング広告 | 中〜高 | 速い(当月〜) | 低い |
| SEO・コンテンツ | 低〜中 | 遅い(半年前後〜) | 高い |
| SNS運用 | 低い | 遅い(数か月〜) | 中〜高 |
| メール・LINE | 低い | 速い(リストがあれば) | 高い |
| 展示会 | 高い | 速い(開催時) | 中 |
費用・速さ・資産性はトレードオフの関係にあります。即効性のある手法で足元の売上をつくりながら、資産型の手法を育てる。
この両輪を意識すると、施策のバランスが取りやすくなります。
マーケティング手法の最新トレンド

手法選びの参考に、近年のトレンドにも触れておきます。
- AIの活用:コンテンツ制作や広告運用、分析の効率化にAIを使う動きが急速に広がっています
- ショート動画の存在感:検索の前にSNSや動画で商品を知る行動が増えていると言われます
- コミュニティ・ファンマーケティング:新規獲得コストの上昇を受け、既存顧客との関係深化が重視されています
- AI検索への対応:AIチャットの回答に自社の情報が引用されるよう、発信内容を整える動きも出始めています
ただし、トレンドは「乗るべきもの」ではなく「知っておくもの」です。自社の顧客がいない場所に流行だけで飛びつくと、リソースを浪費します。
基本はあくまで顧客の行動からの逆算です。
トレンド情報は、四半期に一度まとめて確認する程度で十分です。日々のニュースに振り回されるより、目の前の顧客の変化を観察するほうが、確実に成果へつながります。
マーケティング手法に関するよくある質問

無料でできる手法はどれ?
SNS運用、SEO・コンテンツ、Googleビジネスプロフィール(地図対策)、紹介の仕組み化などは、広告費をかけずに始められます。ただし無料の手法は時間と手間がかかります。
担当者の人件費まで含めた費用対効果で判断しましょう。
BtoBに向いている手法は?
SEO、ホワイトペーパー、ウェビナー、展示会、メールマーケティングが定番です。BtoBは検討期間が長く、複数人で意思決定されるため、信頼を積み上げる情報提供型の手法が中心になります。
すぐに効果が出る手法は?
リスティング広告が代表格です。「今まさに探している人」に届くため、早ければ配信当日から問い合わせが入ります。
ただし出稿を止めると効果も止まるため、SEOなど資産型の手法と並行して進めるのがおすすめです。
手法選びでよくある失敗は?
社内の得意・不得意を無視して選ぶことです。文章が得意な人がいないのにSEO、写真素材が用意できないのにInstagramでは続きません。
手法の理屈だけでなく、自社に続けられる体制があるかも必ず確認してください。
まとめ:マーケティング手法は「顧客から逆算して2つに絞る」
マーケティング手法22選と選び方を解説しました。要点を振り返ります。
- 手法は集客・育成・オフラインの3分類で整理する
- 顧客の情報行動から逆算して選ぶ
- 同時に取り組む手法は2つまでに絞る
- 3か月試して数字で継続を判断する
まずは自社の顧客がどこで情報を集めているかを書き出し、候補の手法を2つ選ぶところから始めてみてください。
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