レジの決済端末、セルフオーダー、予約の受付、電話。店舗の業務の多くは、インターネットにつながって初めて動きます。通信障害が起きると、お客さまが目の前にいるのに会計ができない、といった事態になりかねません。この記事では、店舗で通信障害が起きたときに止まる業務、発生直後の初動、代わりの手段、事前の備え、そして対策の優先順位の付け方までを整理します。
通信障害で店舗の何が止まるのか
まず、自分の店舗で回線が止まったら何が使えなくなるかを把握します。一般的な店舗では、次の業務が影響を受けます。

| 止まる業務 | 影響の例 | 代わりの手段の例 |
|---|---|---|
| キャッシュレス決済 | カードやコード決済で会計できない | 現金での会計、後日の支払いの案内 |
| POSレジ・売上の記録 | 売上や在庫が記録されない | 紙の控えに記録し、復旧後に入力 |
| セルフオーダー・注文の送信 | 厨房に注文が届かない | 紙の伝票と口頭での伝達 |
| 予約の受付 | ネット予約や台帳が見られない | 紙の予約表の控え、電話での確認 |
| インターネットを使う電話 | 電話がつながらない | 携帯電話への転送、店頭の掲示 |
| 防犯カメラの遠隔確認 | 外から映像が見られない | 録画は機器内に残るか確認 |
| 店内のお客さま向けWi-Fi | お客さまがネットを使えない | 店頭での案内 |
なかでも影響が大きいのが決済です。経済産業省は、2025年の状況を次のように公表しています。
2025年のキャッシュレス決済比率は堅調に上昇し、58.0%(162.7兆円)となりました。
出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
内訳はクレジットカードが82.7%、コード決済が10.2%、電子マネーが3.7%、デビットカードが3.4%です(出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」)。決済の半分以上が通信に頼る状況では、回線の停止がそのまま売上の停止につながりやすくなります。国は2030年に65%という中間目標を掲げており、この依存は今後さらに強まると考えられます。
通信障害が起きる主な原因
通信障害は、店舗の外で起きるものと、店舗の中で起きるものに分かれます。
店舗の外で起きる障害
通信事業者の設備の故障、システムの不具合、災害、工事によるケーブルの切断などです。総務省の情報通信白書(令和8年版)によると、2024年度(令和6年度)に電気通信事業者から四半期ごとに報告された事故は6,713件、電気通信事業法第28条にもとづく報告が必要な重大な事故は6件でした(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」電気通信サービスの事故の発生状況)。こうした障害は店舗では防げないため、止まったときの備えが中心になります。
店舗の中で起きる障害
ルーターやWi-Fiの機器の故障、電源の抜けや停電、配線の外れ、機器の熱による不調などです。決済端末やアプリの更新の不具合、端末の時刻のずれが原因になることもあります。店舗の中の原因は、日ごろの点検で減らせる部分があります。
決済サービス側の障害
回線は正常でも、決済サービスや予約サービス自体が止まることがあります。この場合は、回線を切り替えても解決しません。原因を切り分けることが大切です。
サイバー攻撃による障害
ウイルス感染や不正アクセスで、店舗の機器やシステムが使えなくなることもあります。総務省の調査では、過去1年間にインターネット利用で「何らかの被害を受けた」企業は48.1%でした(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果(概要)」)。機器のソフトウェアの更新や、管理画面のパスワードの変更も、通信障害を防ぐ対策の一部です。
障害が起きたときの初動:最初の数分でやること
障害が起きたとき、現場が迷わないように、やることの順番を決めておきます。一般的な流れは次のとおりです。

- 決済端末やPOSの画面に出たエラーと、発生した時刻を記録する
- 別の端末(スマートフォンなど)で、インターネットにつながるかを確かめる
- ルーターの表示ランプを確かめ、決めた順番で機器を再起動する
- 予備の回線があれば、切り替わったかを確かめる
- 復旧しない場合は、現金での会計などの代わりの手段に切り替える
- 店頭とレジの周りに、決済が使えないことを掲示する
- 回線の事業者や決済サービスの障害情報を確かめ、店長や本部に報告する
原因を切り分ける3つの確認
店舗の担当者が最初に確かめたいのは、次の3点です。
- スマートフォンのモバイル通信ではつながるか(つながるなら店舗の回線か機器の問題)
- 店内のほかの機器もつながらないか(すべてなら回線、一部なら機器の問題)
- 決済サービスや予約サービスが障害を発表していないか(発表があればサービス側の問題)
切り分けができると、再起動を続けるべきか、代わりの手段に切り替えるべきかを早く判断できます。
再起動の順番を決めておく
機器を再起動するときは、回線の入り口に近い機器から順に行うのが一般的です。たとえば、回線の終端装置、ルーター、Wi-Fiの機器、決済端末の順です。順番と待つ時間を紙に書いて、ルーターの近くに貼っておくと、誰でも同じ手順で対応できます。
代わりの手段を用意しておく
通信が戻るまでの間、店舗を回し続けるための手段を決めておきます。
会計の代わり
現金での会計に切り替えるのが基本です。そのために、釣り銭を多めに用意しておく、手書きの領収書を置いておくといった準備が必要です。お客さまへの声かけの文言も決めておくと、現場が落ち着いて対応できます。
記録の代わり
POSに売上が記録されない間は、紙に会計の内容を控えます。復旧後に入力し直すための書式を用意しておくと、集計の漏れを防げます。
予約と電話の代わり
ネット予約の台帳が見られなくなる場合に備え、当日と翌日の予約を前日のうちに紙や端末に控えておく方法があります。インターネットを使う電話なら、障害時に携帯電話へ転送できるかを確認しておきます。
オフラインで使える機能を確かめる
決済端末やPOSの中には、通信が止まっても一部の機能を使えるものがあります。ただし、オフラインでの決済は後から承認されない可能性があり、店舗側の負担になることもあります。使う場合は、契約の条件と注意点を事前に確認してください。
決済の手段を1つの系統に寄せない
回線は正常でも、決済サービスや決済の中継を担う事業者の側で障害が起きることがあります。クレジットカード、コード決済、電子マネーをすべて同じ事業者の端末やサービスでまとめていると、その事業者の障害で全部が止まります。売上への影響が大きい店舗では、別の事業者の決済手段を1つ残しておくと、現金だけに頼らずに済みます。手数料や管理の手間が増えるため、店舗の規模と売上で判断してください。
事前の備え:回線・機器・電源
初動と代わりの手段に加えて、そもそも止まりにくくする備えも検討します。
予備の回線を用意する
主回線とは別に、モバイル回線などの予備を用意しておくと、主回線が止まっても通信を続けられます。主回線が止まったときに自動で切り替わる仕組みなら、スタッフが操作しなくても済みます。
予備にモバイル回線を使うなら、主回線やスタッフのスマートフォンと別の事業者を選ぶのが基本です。携帯電話の大規模な障害に備える動きとして、総務省の白書は、2023年3月以降に携帯電話事業者が、異なる事業者の回線に切り替えて使える副回線サービスの提供を始めたことを紹介しています(出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」多様な通信インフラ・手段の確保)。
回線が止まると業務が止まる店舗では、メインの回線が止まったときに自動で予備の回線に切り替えるインターネット回線のバックアップサービスを使う方法もあります。ITの担当者が店舗にいない時間帯でも、業務を止めずに済みます。
業務用とお客さま用のWi-Fiを分ける
お客さま向けのWi-Fiと、決済や業務で使うWi-Fiを同じ回線・同じ設定で使うと、混雑や設定の誤りが業務に影響することがあります。安全面でも問題があり、総務省の手引きは次のように注意しています。
自社・自組織で業務用に利用しているネットワークを使って公衆Wi-Fiを提供することは避けましょう。
出典:総務省「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き(令和7年2月版)」
手引きでは、物理的に別のネットワークを作るか、VLANなどの技術で論理的に分けるかして、業務用とWi-Fi提供用のネットワークを分離するよう求めています(出典:総務省「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き(令和7年2月版)」)。お客さま用Wi-Fiを提供している店舗は、決済端末やPOSがどちらのネットワークにつながっているかを一度確かめてください。
停電に備える
停電すると、回線が正常でもルーターや決済端末が止まります。ルーター、回線の終端装置、決済端末など、止めたくない機器だけでも、UPS(無停電電源装置)につないでおくと、短い停電を乗り切れることがあります。
機器の置き場所と配線を見直す
ルーターが熱のこもる場所に置かれている、配線が足元にあって抜けやすい、といった状態は不調の原因になります。機器の周りに空間をつくり、配線をまとめておくだけでも、店舗の中の障害を減らせます。
スタッフへの周知と練習
手順を決めても、現場のスタッフが知らなければ使われません。通信障害は、店長やオーナーがいない時間帯に起きることもあります。誰が店舗にいても同じ対応ができるよう、周知と練習を続けることが大切です。
手順書は1枚にまとめる
手順書は、レジの近くやルーターの近くに貼れる1枚の紙にまとめます。長い説明より、番号付きの短い手順のほうが、慌てている場面でも読みやすくなります。連絡先、再起動の順番、掲示物の置き場所を1枚に入れておくと便利です。
お客さまへの声かけを決めておく
決済が使えないことを伝えるときの言い方を、あらかじめ決めておきます。たとえば「ただいま通信の障害でカード払いがご利用いただけません。現金でのお支払いをお願いできますでしょうか」のような文言です。言い方がそろっていると、お客さまへの説明が落ち着いたものになります。
新しいスタッフにも伝える
アルバイトやパートの入れ替わりが多い店舗では、手順が引き継がれないことがあります。入店時の説明の中に、通信障害のときの対応を入れておくと、知らないスタッフを減らせます。
年に1〜2回は練習する
営業時間外に、実際に回線を止めた状態をつくって手順を試します。予備の回線に切り替わるか、代わりの会計に移れるか、掲示物がすぐに出せるかを確かめます。練習で見つかった問題を手順書に反映すると、本番での対応が早くなります。
障害のあとに振り返る
障害が収まったら、次に備えて振り返りを行います。振り返りでは、次の点を記録しておくと役立ちます。
- 障害が起きた時刻と、復旧した時刻
- 止まった業務と、失った売上のおおよその金額
- 原因(回線・機器・サービスのどれだったか)
- 手順どおりに対応できたか、迷った点はどこか
- 次に向けて直す点
記録がたまると、どの対策に費用をかけるべきかが見えてきます。たとえば、店舗の中の機器が原因の障害が多いなら機器の見直しを、回線の事業者の障害が多いなら予備の回線を優先する、といった判断ができます。
復旧後に会計を確かめる
障害のあとは、会計の不整合が残っていないかを確かめます。特に次の3点は、その日のうちに決済サービスの管理画面や売上の明細と照らし合わせておきます。
- 障害の最中に払い直したお客さまの、二重の決済がないか
- 決済端末では完了と出たのに、売上として確定していない取引がないか
- 取り消しや返金が必要な取引が、漏れなく処理されているか
紙に控えた会計の内容と、復旧後のPOSの記録も突き合わせます。食い違いを見つけたら、決済サービスの窓口に取引の番号と時刻を伝えて確認します。お客さまへの連絡が必要な場合に備え、障害中の会計では、可能な範囲で連絡先を控えておくと対応しやすくなります。
対策の優先順位を決める判断基準
すべての対策を一度に行う必要はありません。次の基準で、自分の店舗の優先順位を決めます。
| 確認すること | 対策の優先度が高い | 優先度は低め |
|---|---|---|
| 決済の内訳 | キャッシュレスの割合が高い | 現金が中心 |
| 注文の流れ | セルフオーダーや注文の送信に頼っている | 口頭と紙の伝票が中心 |
| 予約 | ネット予約が売上の柱になっている | 予約を取らない、または電話中心 |
| 営業時間 | 夜間・早朝などスタッフが少ない時間がある | 店長が常にいる |
| 店舗の数 | 複数の店舗があり、本部から対応できない | 1店舗でオーナーがすぐ対応できる |
決済の内訳は、全国平均ではキャッシュレスが58.0%(2025年)ですが(出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」)、店舗ごとの割合はPOSや決済サービスの売上データで確かめられます。まず自店の数字を出してから判断します。優先度が高い項目が多い店舗ほど、予備の回線と自動の切り替えまで備える価値があります。優先度が低い店舗なら、まずは初動の手順と代わりの手段を決めるだけでも効果があります。
業態別のポイント
同じ通信障害でも、業態によって最初に困ることが違います。自分の店舗に近いものを参考にしてください。
飲食店
セルフオーダーや注文の送信が止まると、厨房に注文が届かなくなります。紙の伝票をすぐに出せる場所に置き、注文を口頭で伝える流れを決めておきます。混雑する時間帯に止まると影響が大きいため、予備の回線の優先度が高くなりやすい業態です。
小売店
レジでの決済と、在庫や売上の記録が止まります。常用雇用者100人以上の企業では83.5%がクラウドサービスを一部でも利用しており(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果(概要)」)、在庫や売上をクラウドで管理していると、回線が止まった時点で確認もできなくなります。現金での会計の準備に加えて、売れた商品を紙に控える書式を用意しておくと、復旧後の在庫の修正が楽になります。
美容室・サロンなど予約が中心の店舗
予約の台帳が見られないと、来店したお客さまの確認や次の予約の受付ができません。当日と翌日の予約を前日のうちに控えておく運用が役立ちます。電話がインターネットを使う方式なら、転送先の設定も確認しておきます。
店舗の通信障害対策チェックリスト
次の項目を確認して、できていないものから手を付けます。
- 回線が止まったときに止まる業務を書き出した
- 初動の手順を紙にまとめ、スタッフが見える場所に置いた
- 機器の再起動の順番と、待つ時間を決めた
- 回線の事業者と決済サービスの連絡先、障害情報の見方をまとめた
- 現金での会計に切り替える準備(釣り銭・手書きの領収書)をした
- 決済が使えないことを知らせる掲示を用意した
- 予約の控えを、前日のうちに取る運用にした
- 業務用とお客さま用のWi-Fiを分けた
- 止めたくない機器をUPSにつないだ
- 予備の回線の要否を検討した
- 年に1〜2回、障害を想定した練習をする時期を決めた
費用の考え方
対策の費用は、どこまで備えるかで大きく変わります。目安として、次の3段階で考えると整理しやすくなります。

| 段階 | 主な内容 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| 手順の整備 | 初動の手順書、掲示物、代わりの手段の準備 | 費用はほとんどかからず、スタッフの時間が中心 |
| 機器の見直し | UPS、業務用とお客さま用のネットワークの分離、機器の更新 | 機器の購入費が一度かかる |
| 回線の備え | 予備の回線、自動の切り替え | 月額の費用が継続してかかる |
回線の備えに月額の費用をかけるかどうかは、「1時間止まったときに失う売上」と比べて判断するのが目安です。客数が多い時間帯に止まると影響が大きい店舗ほど、備える価値が高くなります。
通信障害の備えを、災害への備えと一緒に計画にまとめる方法もあります。中小企業庁の「事業継続力強化計画」は、中小企業者等が作った防災・減災の事前対策の計画を経済産業大臣が認定する制度で、認定を受けると税制措置、金融支援、補助金の加点などを受けられます(出典:中小企業庁「事業継続力強化計画」)。通信障害だけでなく、停電や災害で店舗が止まったときの手順をまとめるきっかけになります。
POSや予約のデータを失わない備えも別に必要です。IPAは「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版で、基本の対策に「バックアップを取ろう!」を加えています(出典:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」)。回線の備えは「止めない」ため、データのバックアップは「失わない」ための備えとして、分けて確認してください。
やりすぎなくてよいケース
次のような店舗では、大がかりな対策をしなくても対応できることがあります。
- 現金での会計が多く、キャッシュレス決済が止まっても大きな影響がない
- 予約やセルフオーダーを使っておらず、紙と口頭で店舗を回せる
- 営業時間が短く、オーナーが常に店舗にいて対応できる
- スマートフォンのテザリングで、決済端末を一時的につなげられる
こうした店舗では、まず初動の手順と代わりの手段を決めておくことが、もっとも費用のかからない対策です。予備の回線は、売上への影響が大きくなってから検討しても遅くありません。
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ツナグバで、通信障害に備えるサービスを比べる
ツナグバは、法人向けサービスの資料を無料でまとめて請求できるサイトです。対策を検討している段階でも、資料を取り寄せて比べられます。
通信・IT機器の分野では、通信障害に備えるインターネット回線のバックアップサービスを掲載しています。メインの回線が止まったときに自動で予備の回線に切り替え、通信障害による業務停止のリスクを減らすサービスです。回線が止まると業務が止まる企業や店舗に向いています。
こんな課題があれば
- 回線が止まるとレジや予約システムが使えず、営業ができなくなる
- 通信障害が起きたとき、復旧を待つ以外に手がない
- 回線を二重に契約するのは費用や管理が負担になりそうで踏み切れない
掲載サービスでできること
- メイン回線が止まると予備の回線に切り替わる:障害を検知すると、予備の回線へ自動で切り替える仕組みです。業務が止まる時間を短くすることを目指します。
- 回線が戻ればメイン回線に戻せる:メイン回線が復旧した後に、元の回線へ戻す仕組みを持つものが一般的です。切り替えの動き方は製品によって違うため、資料で確認してください。
- 今の回線に追加する形で導入できる:メインの回線を変えずに、予備の回線と機器を追加する形が一般的です。今の環境に合わせて検討できます。
資料で確かめたいこと
- 予備回線の種類と、通信の速さ・容量の上限
- 月額料金と、機器の費用の内訳
- 今の回線や機器と組み合わせられるか
- 障害時の問い合わせ窓口と対応時間
- 契約期間と、途中で解約したときの費用
よくある質問
通信障害のときに決済端末をスマートフォンのテザリングでつないでもよいですか?
決済端末がWi-Fiでつながる機種であれば、テザリングで一時的に通信できることがあります。ただし、決済サービスによっては推奨していない場合もあります。事前に決済サービスの案内を確認し、使える場合は手順をまとめておいてください。スマートフォンが主回線と同じ事業者の回線だと、同じ障害で使えないこともあります。なお、総務省は通信障害の際にも公衆無線LAN「00000JAPAN」を開放できるようガイドラインを改定していますが、誰でも使える無料のネットワークのため、決済に使うのは避けたほうが安全です(出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」多様な通信インフラ・手段の確保)。
障害で会計できなかったお客さまには、どう対応すればよいですか?
現金での支払いをお願いするのが一般的です。現金の持ち合わせがない場合の対応(後日の支払いや振り込みなど)を、店舗の方針として事前に決めておくと、現場で迷わずに済みます。トラブルを防ぐため、対応した内容は記録に残してください。
通信障害の練習はどのように行えばよいですか?
営業時間外に、ルーターの電源を切るなどして実際に回線が止まった状態をつくり、手順どおりに対応できるかを確かめる方法があります。予備の回線が自動で切り替わるか、代わりの会計に移れるかを、短い時間で確認しておくことにも意味があります。
多店舗の場合、本部で何を決めておけばよいですか?
初動の手順、代わりの手段、報告の方法を本部でそろえ、全店舗で同じ対応ができるようにするのが目安です。店舗ごとに回線や機器が違うと対応がばらばらになるため、機器や回線の構成もできるだけそろえておくと管理がしやすくなります。
決済の障害で減った売上は補償されますか?
補償の有無や範囲は、決済サービスとの加盟店契約の内容によります。障害の原因が事業者側にあっても、売上の減少までは補償しない取り決めになっていることが一般的です。契約書や規約の免責の条項を確認し、不安がある場合は予備の回線や別の決済手段で備えるほうが現実的です。
参考資料
- 経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月31日公表、6月18日更新)
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」電気通信サービスの事故の発生状況
- 総務省「令和5年版 情報通信白書」多様な通信インフラ・手段の確保
- 総務省「公衆Wi-Fi提供者向け セキュリティ対策の手引き」(令和7年2月版)
- 総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」
- 中小企業庁「事業継続力強化計画」
- 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果(概要)」(令和8年5月29日)
- IPA(情報処理推進機構)「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版(2026年3月27日公開)
