生成AIを社内で使い始めたものの、使う人と使わない人の差が広がっている。研修を入れたいが、どこに何を頼めばよいか分からない。中小企業の経営者や総務・人事の担当者から、こうした声をよく聞きます。
この記事では、中小企業が生成AI研修を選ぶときの判断基準を整理します。研修の種類、研修前に決めておくこと、費用の考え方と助成金の最新の注意点、研修を受けなくてよいケース、研修後に定着させる進め方まで、公的資料を出典に順に解説します。
中小企業で生成AI研修が求められている背景
まず、企業の生成AI活用がどこまで進んでいるかを数字で確認します。社内で研修の必要性を説明するときの材料にもなります。

総務省の令和8年版情報通信白書によると、2025年度の企業向け調査で、生成AIを「積極的に活用する方針である」または「活用する領域を限定して利用する方針である」と答えた日本企業は合計68.9%でした。前年度の49.7%から大きく上がっています(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」第Ⅰ部第2章第1節)。
企業規模別では、大企業が74.0%、中小企業が58.1%です。差は約16ポイントあります。また、生成AIによる業務変革について「組織的な取組はない」と答えた割合は27.0%で、中小企業で特に高い傾向が示されています(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。
つまり、中小企業では「個人が自己流で使っている」段階にとどまっている会社が少なくありません。研修は、この個人任せの状態を、会社として使い方をそろえる状態に変えるための手段のひとつです。
自己流のままだと起きやすいこと
- 得意な社員だけが使い、業務の進め方が人によってばらばらになる
- 顧客情報や社外秘の資料を、確認せずに入力してしまう
- 出力の誤りに気づかず、そのまま社外に出してしまう
- 「使ってみたが役に立たなかった」で止まり、活用が広がらない
同じ白書では、日本企業が懸念するリスクとして「社内情報の漏洩などのセキュリティリスクがある」が最も多く、次いで「出力結果の精度に問題がある」「著作権等の権利を侵害する可能性がある」が挙がっています(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。研修では、便利な使い方と同時に、こうしたリスクへの備えを全員で共有することが重要です。
国の方針でも「教育・リテラシー」が求められている
2025年6月に公布された「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)は、AIを事業活動で活用しようとする事業者を「活用事業者」と位置づけ、活用による事業活動の効率化や高度化に努めることなどを定めています(出典:e-Gov法令検索「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」第7条)。この法律に基づく人工知能基本計画は、令和8年7月14日に改めて閣議決定されています(出典:内閣府「人工知能基本計画」)。
事業者がAIを使うときの指針として、総務省と経済産業省は「AI事業者ガイドライン」を公表しています。最新の第1.2版(令和8年3月31日公表)では、各主体が共通して取り組む事項のひとつとして「教育・リテラシー」を挙げ、次のように書いています。
各主体は、主体内のAIに関わる者が、AIの正しい理解及び社会的に正しい利用ができる知識・リテラシー・倫理感を持つために、必要な教育を行うことが期待される。
出典:総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)本編」
ここでいう「主体」には、AIを業務で使う「AI利用者」の会社も含まれます。法的な義務ではありませんが、社員への教育は、AIを使う会社に期待される取り組みとして公的に整理されていると読めます。研修を検討する際の社内説明にも使える考え方です。
生成AI研修の主な種類と内容
生成AI研修と一口にいっても、内容や形式はさまざまです。自社の目的に合わない研修を選ぶと、受講して終わりになりがちです。まずは大まかな種類を押さえておきましょう。
| 種類 | 主な内容 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 基礎リテラシー研修 | 生成AIの仕組み、できること・できないこと、リスクと社内ルール | これから全社で使い始める会社 | 基礎だけでは業務での使い方まで落ちにくい |
| プロンプト研修 | 指示文の書き方、業務別の使い方の型、出力の確認方法 | 使ってはいるが成果にばらつきがある会社 | 自社業務の題材を使えるかで効果が変わる |
| ツール別の活用研修 | 代表的な生成AIツールの操作と活用例 | 導入するツールが決まっている会社 | ツールの仕様変更で内容が古くなりやすい |
| 業務改善ワークショップ型 | 自社の業務を題材に、手を動かしながら改善の仕組みを作る | 具体的な業務の効率化まで進めたい会社 | 準備と社内の時間確保が必要 |
| eラーニング | 動画で基礎を学ぶ。受講状況を管理できるものが多い | 拠点が分かれている、受講時間をそろえにくい会社 | 視聴だけで終わりやすい |
中小企業は「基礎+実務演習」の組み合わせが基本
中小企業では、全員向けの基礎とルールの共有を短時間で行い、その後に部署ごとの実務演習を入れる形が取り入れやすいです。社員数が少ないぶん、一人ひとりの業務に近い題材で演習できるのは中小企業の強みです。
演習の題材は、効果を感じやすい業務から選ぶのが近道です。白書の調査では、日本企業で生成AIの活用が最も多い業務類型は「議事録・メール作成補助」で約7割でした。導入効果を実感する割合も約7割と、ほかの類型より高い結果です(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。
学ぶ範囲の目安になる公的な標準
研修の範囲を決めるときは、IPAと経済産業省の「デジタルスキル標準」が参考になります。全てのビジネスパーソン向けの「DXリテラシー標準」には、2023年8月に生成AIに関する記載が追加されました。2026年4月にはver2.0が公開されています(出典:IPA「DXリテラシー標準(DSS-L)概要」)。研修会社の提案が、こうした標準のどこを扱うのかを聞くと、内容の過不足が分かりやすくなります。
中小企業向け生成AI研修のカリキュラム例
研修会社から提案を受ける前に、どんな内容が含まれていれば十分かを知っておくと、提案の良し悪しを判断しやすくなります。ここでは、社員30名程度の会社が、全社向けの基礎と部署別の演習を2回に分けて行う場合の例を示します。
| 回 | テーマ | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1回目(全社) | 基礎とルール | 生成AIの仕組みと得意・不得意、誤った内容を出力する可能性、入力してよい情報と禁止事項、著作権の基本的な考え方、社内ルールの説明 |
| 1回目(全社) | 基本操作 | 指示文の基本の型、要約・下書き・言い換えの練習、出力の確認方法 |
| 2回目(部署別) | 業務演習 | 各部署の実際の業務(議事録、提案書の構成、問い合わせ返信、求人原稿など)を題材に、使える指示文を作る |
| 2回目(部署別) | 共有と次の一歩 | 作った指示文を共有し、業務で使う手順を決める。研修後の相談先と評価の指標を確認する |
ポイントは、リスクとルールの説明を必ず最初に入れることです。個人情報保護委員会は、個人情報を含むプロンプトを入力する場合、利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう注意喚起しています。本人の同意なく入力した個人データが応答の生成以外の目的で扱われると法令違反となる可能性があるため、提供者が機械学習に利用しないことなどの確認も求めています(出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。研修で使うツールの設定や契約形態も、あわせて説明できる講師かどうかを確認しましょう。
著作権の扱いも基礎研修に入れたい項目です。文化庁の整理では、生成物に既存の著作物との「類似性」と「依拠性」が認められ、権利制限規定の対象外である場合は著作権侵害になるとされています(出典:文化庁「AIと著作権に関する考え方について【概要】」)。画像や文章を社外に出す前の確認手順まで、研修で決めておくと安心です。
研修を依頼する前に決めておくこと
研修会社に問い合わせる前に、社内で次の4点を決めておくと、提案や見積もりを比べやすくなります。
1. 研修のゴール
「全員が安全に使える状態にする」のか、「特定業務の作業時間を減らす」のかで、選ぶ研修は変わります。ゴールは、研修後に何ができるようになっていればよいかを具体的な業務で書き出すと明確になります。
2. 対象者と人数
経営層、管理職、現場の社員では、学ぶべき内容が異なります。経営層には活用方針とリスクの判断、管理職には部下の業務への落とし込み、現場には具体的な使い方が必要です。対象を分けるかどうかで、回数と費用も変わります。
3. 使うツールと社内ルール
研修で使うツールと、実際に業務で使うツールが違うと、学んだことを活かしにくくなります。また、入力してよい情報の範囲など、社内ルールが決まっていないと研修の内容も曖昧になります。ルールが未整備なら、研修と並行して作るか、研修の中で作成を支援してもらえるかを確認しましょう。
白書の調査では、リスク対策として「全社的な指針やガイドラインを整備している」と答えた日本企業は41.1%で、対策の中では最も高い割合でした(出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」)。裏を返せば、半数以上の企業はまだ全社的な指針を持っていないことになります。研修の前にルールの骨子だけでも作っておくと、ほかの会社より一歩進んだ状態で研修を始められます。
4. 研修後の評価方法
受講者アンケートだけでは、業務に活きたかどうか分かりません。たとえば「議事録の作成時間」「定型メールの作成件数」など、研修前後で比べる指標を一つでも決めておくと、効果を判断しやすくなります。
生成AI研修を選ぶ判断基準とチェックリスト
研修会社のサイトでは、どこも「実践的」「業務に活かせる」と書かれています。違いを見分けるには、具体的な質問をして回答を比べるのが確実です。以下のチェックリストを、問い合わせや商談の際に使ってください。
- 自社の業務や資料を題材にした演習ができるか
- 講義と演習の時間配分はどれくらいか
- 情報漏えい・著作権・誤情報など、リスクと社内ルールの内容が含まれているか
- AI事業者ガイドラインや個人情報保護委員会の注意喚起など、最新の公的資料を踏まえているか
- 研修で使うツールが、自社で使う予定のツールと同じか
- 受講者のレベル差に、どう対応するか
- 研修後の質問対応やフォローの期間・方法はどうなっているか
- 研修で作ったプロンプトや手順書を、社内で使い続けられるか
- 見積もりの内訳(講師料、教材費、カスタマイズ費、交通費、フォロー費)が明確か
- 助成金を使う場合、対象になる訓練かどうかの根拠を支給要領で示せるか
特に重要なのは「研修後に何が社内に残るか」です。業務別のプロンプト集、作業手順、社内ルールなど、研修が終わっても使える成果物が残る研修は、定着につながりやすい傾向があります。
指示文の書き方に絞って学びたい場合は、業務効率化のためのAIプロンプト研修のように、テーマを絞った研修を選ぶ方法もあります。全社の基礎研修と、テーマ別の研修を分けて考えると、必要な範囲だけに費用をかけられます。
生成AI研修の費用の考え方と助成金
生成AI研修の費用は、形式・時間・人数・カスタマイズの度合いで大きく変わります。料金を公開していない研修会社も多く、公的な統計で相場を示した資料も見当たりません。そのため、この記事では金額の相場は示さず、費用が変わる条件と、助成金を使う場合の考え方を整理します。
費用を左右する主な条件
| 条件 | 費用が上がりやすい場合 | 費用を抑えやすい場合 |
|---|---|---|
| 形式 | 講師が来社する対面研修 | オンライン研修、eラーニング |
| 内容 | 自社業務に合わせたカスタマイズ | 既存カリキュラムのまま受講 |
| 時間・回数 | 複数回の実務演習、伴走支援つき | 半日程度の単発講義 |
| 人数 | 部署ごとに分けて複数回実施 | 全員を1回にまとめる |
| フォロー | 研修後の個別相談や成果物レビューつき | 研修当日のみ |
見積もりは、必ず複数社から同じ条件で取って比べてください。条件をそろえるには、受講人数、時間数、形式、カスタマイズの有無、フォローの期間を書いた依頼メモを先に作り、各社に同じものを渡すのが確実です。
なお、商工会議所や中小企業支援機関が開く無料・低額のセミナーもあります。基礎を知る入口としては十分役立つため、全社研修の前に経営者や担当者が参加して、自社に必要な内容を見極める使い方もできます。
人材開発支援助成金の助成率と限度額
厚生労働省の人材開発支援助成金には、新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識や技能を習得させる訓練に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する「事業展開等リスキリング支援コース」があります(出典:厚生労働省「人材開発支援助成金」)。

令和8年8月3日版のパンフレットでは、中小企業の場合、経費助成率は75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円です。経費助成の限度額は、1人1訓練あたり、実訓練時間が10時間以上100時間未満で30万円、eラーニングや通信制の訓練では15万円とされています(出典:厚生労働省「令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内(令和8年8月3日版)」)。
手続きにも期限があります。職業訓練実施計画届は、訓練開始日の6か月前から1か月前までに管轄の労働局へ出す必要があり、実訓練時間が10時間未満の場合などは原則として支給されません(出典:厚生労働省「事業展開等リスキリング支援コースのご案内」)。研修会社が決まってから慌てないよう、スケジュールは逆算して組みましょう。
令和8年8月3日以降は「汎用的なプロンプト研修」が対象外に
生成AI研修で助成金を考えている会社が、最も注意すべき変更です。厚生労働省は、令和8年8月3日以降に提出された計画届から、DX化・GX化に関する訓練のうち次の目的のものを助成対象外としました。
本コースのDX化・GX化に関する訓練について、以下の実施目的の訓練は助成対象外となります。(中略)職業、または職務の種類を問わず、職業人として共通して必要なるもの
出典:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について」
同じ資料では、具体例として「生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練」が対象外とされています。一方で、営業担当者が生成AIを使って商品提案書の構成案を作る方法を学ぶ訓練のように、職務に直結する内容は対象になる例として示されています(出典:厚生労働省「令和8年8月3日からの変更点について」)。
つまり、助成金を使うなら「誰の、どの業務に直結する研修か」を計画の段階で明確にする必要があります。全社員向けの基礎リテラシー研修は自社負担で行い、部署別の実務演習を助成金の対象として検討する、という分け方も考えられます。また、同じ労働者が受けられる回数は1年度あたりコース全体で3回まで、そのうちeラーニングは1回までという制限も加わりました。経過措置もあるため、最終的な判断は支給要領と管轄の労働局で確認してください。
研修を受けなくてもよいケースと自社でできること
生成AI研修は、すべての会社に必要なわけではありません。次のような場合は、外部研修より先にやるべきことがあります。
外部研修が向いていないケース
- 社内で使うツールも、入力してよい情報のルールもまだ決まっていない
- 生成AIを使いたい業務が具体的に挙がっていない
- 受講する社員の業務時間を確保できない
- 社員数が数名で、詳しい人が直接教えられる
ツールやルールが決まっていない段階で研修を受けても、「結局、何を使ってよいのか」が分からないまま終わります。まずは方針を決めることが先です。
自社でできること
- 使うツールと、入力してはいけない情報を1枚にまとめる
- 議事録の要約やメールの下書きなど、リスクの低い業務から試す
- うまくいった指示文を共有フォルダやチャットに集める
- 月に1回、社員同士で使い方を共有する短い時間を設ける
社内ルールを作るときは、公的な資料のひな形や解説を使うと手間を減らせます。たとえばIPAの中核人材育成プログラムの卒業プロジェクトがまとめた「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」は、導入担当者・運用担当者・セキュリティ担当者の立場ごとに考慮事項を整理しています。なお、同書は執筆メンバーの見解であり、IPAの意見を代表するものではないと明記されています(出典:IPA「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」(2024年7月31日))。
この段階で行き詰まったところが、外部研修で補うべきテーマです。自社で試してから研修を選ぶと、研修会社への要望も具体的になります。
研修を業務に定着させる進め方
研修の効果は、受講後の数週間で決まります。研修を「イベント」で終わらせないために、次の流れで進めるのがおすすめです。

| 時期 | やること | 担当の目安 |
|---|---|---|
| 研修前 | ゴール・対象者・使うツール・社内ルールを決める。比べる指標を決めて現状を測る | 経営者・担当者 |
| 研修当日 | 自社業務を題材に演習し、使える指示文や手順をその場で作る | 受講者・講師 |
| 研修後1か月 | 作った指示文を実際の業務で使い、うまくいかない点を集める | 受講者・管理職 |
| 研修後2〜3か月 | 指標を測り直し、効果の出た使い方を全社に広げる。ルールを見直す | 担当者・経営者 |
定着のためには、経営者が使い方の方針をはっきり示すことも欠かせません。白書は、中小企業では「経営幹部から各部署に対して実施事項や達成目標が提示されている」との回答が最も高かったことを紹介し、次のようにまとめています。
中小企業におけるAI活用については、トップダウンの関与がキーポイントとなっていることがうかがえる
出典:総務省「令和8年版 情報通信白書」第Ⅰ部第2章第1節
「この業務は生成AIで下書きを作ってよい」と経営者が具体的に示すと、社員は安心して使えます。
また、研修で学んだことを業務の仕組みに組み込むところまで進めたい場合は、研修と業務改善の支援を一体で行うサービスを検討する方法もあります。
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- DX人材の育成|中小企業の進め方と社内で育てる判断基準
ツナグバで、生成AI研修のサービスを比べる
ツナグバは、BtoBサービスを無料で比べられる掲載サイトです。気になるサービスの資料を、まとめて無料で請求できます。生成AIの研修や活用支援では、次のようなサービスが掲載されています。
- 生成AIの活用を学ぶ社員研修:代表的な生成AIツールの使い方を、業務での活用例とあわせて学ぶ研修です。社員のAIスキルを底上げしたい企業向けです。
- 業務効率化のためのAIプロンプト研修:生成AIへの指示文(プロンプト)の書き方を学び、日々の業務を効率化する研修です。
- 手を動かしながら学ぶ、AIによる業務改善の集中プログラム:自社の業務を題材に、使える仕組みを作りながら学ぶプログラムです。AIを業務に取り入れたい中小企業向けです。
研修の形式や進め方はサービスごとに異なります。資料を取り寄せて、この記事のチェックリストと照らし合わせながら比べてみてください。
生成AIの活用を学ぶ社員研修
主な特徴は次のとおりです。
- 代表的な生成AIツールの使い方を学べる:よく使われている生成AIツールの基本的な操作を学びます。初めて使う社員でも、基礎から順に進められる内容が一般的です。
- 業務での活用例とあわせて学べる:文章の下書きや情報の整理など、業務での使い方を例に学びます。学んだ内容を自分の仕事に当てはめて考えやすくなります。
- 使うときの注意点も学べる:誤った答えが出ることや、情報の扱いなどの注意点を学びます。社内で安全に使うための基礎になります。
業務効率化のためのAIプロンプト研修
主な特徴は次のとおりです。
- 指示文(プロンプト)の書き方を基礎から学べる:AIに何をどう伝えればよいかを、例を使って学びます。目的に合った答えを引き出す考え方を身につけます。
- 自社の業務に合わせた題材で練習できる:メール作成や資料のまとめなど、日々の仕事を題材にした演習を行うものが一般的です。題材を調整できるかは製品によって違うため、資料で確認してください。
- 安全な使い方のルールにも触れる:入れてはいけない情報や、答えをそのまま使わず確認する大切さを学びます。社内ルールづくりのきっかけになります。
手を動かしながら学ぶ、AIによる業務改善の集中プログラム
主な特徴は次のとおりです。
- 自社の業務を題材に学べる:実際に社内で行っている業務を取り上げて進めます。学んだ内容をそのまま現場に持ち帰りやすくなります。
- 手を動かす時間を中心に組み立てる:説明を聞くことに加えて、受講者が自分で操作しながら進めます。つまずいた点をその場で確認できます。
- 使える仕組みを残すことを目指す:プログラムの中で、業務に使う手順や設定を作っていきます。どこまで作るかは内容によって違うため、資料で確認してください。
よくある質問
社員が数名の会社でも生成AI研修は必要ですか?
必須ではありません。社内に詳しい人がいて、使い方とルールを直接教えられるなら、自社で進める方法もあります。ただ、教える側の負担が大きい場合や、業務の改善まで進めたい場合は、短時間の外部研修を使うと効率的です。
オンライン研修と対面研修はどちらがよいですか?
基礎知識やルールの共有はオンラインでも十分です。自社の資料を使った演習や、操作に不慣れな社員が多い場合は、講師がその場で画面を見られる対面のほうが進めやすいこともあります。目的と受講者に合わせて選んでください。
生成AI研修に助成金は使えますか?
厚生労働省の人材開発支援助成金の対象になる場合があります。ただし、令和8年8月3日以降に提出する計画届では、汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練は対象外です。職務に直結する内容か、訓練開始の6か月前から1か月前までに計画届を出せるかなどを、最新の支給要領と管轄の労働局で確認してください。
研修の前に社内ルールを作るべきですか?
最低限のルールは研修の前に決めておくのが理想です。少なくとも、使ってよいツールと、入力してはいけない情報は明確にしておきましょう。詳しいルールは、研修で出た疑問を反映して後から整えても問題ありません。
研修の効果はどうやって測ればよいですか?
受講者アンケートに加えて、業務の指標を研修の前後で比べるのが確実です。たとえば、議事録や定型文書の作成にかかる時間、生成AIを週に1回以上使う社員の割合などです。指標は多くせず、2〜3個に絞ると継続して測れます。
参考資料
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」第Ⅰ部第2章第1節 企業におけるAI利用の現状(2026年)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)本編」(令和8年3月31日)
- e-Gov法令検索「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号)
- 内閣府「人工知能基本計画」(令和8年7月14日 閣議決定)
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)
- 文化庁 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について【概要】」(令和6年3月)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」
- 厚生労働省「令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内」(令和8年8月3日版)
- 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について」
- IPA「DXリテラシー標準(DSS-L)概要」(2026年4月16日更新)
- IPA 中核人材育成プログラム卒業プロジェクト「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」(2024年7月31日)
