会議室の予約がいつも埋まっていて、打ち合わせの場所が取れない。Web会議のたびに空いている部屋を探して社内を歩き回る。こうした悩みを抱える会社は少なくありません。とはいえ、会議室を増やすには広さも費用も必要です。
会議室が足りない原因は、部屋の数そのものより、使い方にあることが多くあります。この記事では、まず原因の調べ方を説明し、そのうえで費用をかけずにできる対策から、小部屋やブースの設置、外部の会議室の活用まで、7つの解消法を整理します。
小部屋を作るときに確かめたい法令の基準や、Web会議の情報管理の注意点もまとめました。
会議室が足りなくなった背景|Web会議が日常になった
会議室が足りなくなった大きな理由の1つが、Web会議の広がりです。総務省の令和7年通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業の割合は50.1%で、前年の47.3%から増えました(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。この調査の企業編は、常用雇用者が100人以上の企業を対象にしています(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査(企業編)の概要」)。
テレワークを導入している企業の導入形態は、在宅勤務が89.8%、モバイルワークが32.5%、サテライトオフィス勤務が14.9%でした(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。この調査の結果は令和8年5月29日に公表されています(出典:総務省「通信利用動向調査」)。

在宅で働く人が増えると、オフィスにいる人が、在宅の人や取引先とWeb会議でつながる場面が増えます。自分の席で話すと周りの迷惑になるため、1人でも会議室を使う。こうして、4人や6人用の会議室が1人で使われ、予約が埋まっていきます。
働く人の側から見た数字もあります。国土交通省の令和7年度テレワーク人口実態調査では、全国の雇用型テレワーカーの割合は25.2%で、前年度より0.6ポイント増えました。直近1年間のテレワーク実施率も16.8%で、前年度より1.2ポイント増えています(出典:国土交通省「令和7年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します」)。同じ発表は、近年の傾向について次のように述べています。
コロナ禍後は、雇用型テレワーカーの割合、直近1年間のテレワーク実施率ともに減少が継続していましたが、令和7年度調査において増加に転じ安定基調で推移していることが確認されました。
出典:国土交通省「令和7年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します」
テレワークが一時的な対応ではなく、出社と組み合わせた働き方として定着しつつあることが読み取れます。会議室の不足も、一時的な混雑ではなく、働き方に合わせてオフィスの使い方を見直す課題として考える必要があります。
制度の面でも、令和7年10月1日からは、3歳から小学校に入る前の子を養育する社員のために事業主が選ぶ措置の1つとして、月10日以上利用できるテレワーク等が挙げられています(出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」)。在宅の人とオフィスの人が一緒に参加する会議は、これからも続くと考えておきます。
まず原因を調べる|会議室の使われ方を見る
会議室を増やす前に、今ある会議室がどう使われているかを調べます。予約の記録と、実際に部屋を見て回った結果を2週間ほど集めると、原因が見えてきます。
| 調べること | よくある状態 | 考えられる原因 |
|---|---|---|
| 予約と実際の利用 | 予約されているのに誰もいない | 空予約、会議の中止を取り消していない |
| 使っている人数 | 6人用の部屋を1〜2人で使っている | Web会議の場所がない |
| 会議の長さ | 1時間の枠で取り、30分で終わる | 予約の単位が大きい |
| 時間帯 | 午前の後半と夕方に集中する | 定例の会議が同じ時間に重なる |
| 会議の種類 | 報告だけの会議が多い | 共有の方法が会議に頼っている |
多くの会社では、部屋の数が足りないのではなく、部屋の大きさと使う人数が合っていない、空予約が多い、特定の時間に集中している、といった使い方の問題が見つかります。原因によって、打つべき対策が変わります。
会議室が足りないときの7つの対策
対策は、費用のかからないものから順に検討します。ルールや使い方を変えても足りない場合に、設備や場所を増やすのが基本の順番です。

1. 予約のルールを見直す
空予約を減らすだけで、使える時間は増えます。開始から10分たっても使われていない予約は取り消す、繰り返しの予約は四半期ごとに見直す、予約の単位を15分か30分にする、といったルールを決めます。予約の管理を表計算ソフトや紙で行っている場合は、空き状況を誰でも見られる仕組みにするだけでも、重複や空予約に気づきやすくなります。
予約が重なったときの優先順位も決めておきます。例えば、取引先を招く会議、複数の人が集まる会議、社内の1人のWeb会議の順にする、といった形です。優先順位がないと、先に予約した人の会議が常に優先され、本当に部屋が必要な会議が外に追い出されることがあります。
2. 会議を減らし、短くする
報告だけの会議は、資料の共有やチャットに置き換えられることがあります。会議の目的と終わりの時刻を予約の時点で決め、標準の長さを60分から30分や45分に変えると、同じ部屋でより多くの会議を回せます。会議の数と長さを見直すことは、会議室の不足だけでなく、参加する人の時間を取り戻すことにもつながります。
3. 1人用のWeb会議の場所を分ける
1人でWeb会議をするために会議室を使っている人が多いなら、1人用の場所を別に用意すると、会議室の予約が空きます。個室型のブースを置く、使っていない小部屋をWeb会議専用にする、周りの音を拾いにくいマイク付きのヘッドセットを配って自席で参加できるようにする、といった方法があります。
自席での参加を認める場合は、周りの席の人にとって会話がどの程度気になるかも確かめます。時間帯や場所を限って認めるなど、職場の実情に合わせて決めると、不満が出にくくなります。
4. 部屋の大きさを使い方に合わせる
大きな会議室を可動式の間仕切りで2つに分ける、使用頻度の低い役員室や応接室を予約制で開放する、といった方法で、少人数の会議の場所を増やせます。予約の記録で人数の分布を確かめ、2〜4人の会議が多いなら小さな部屋を増やす方向で考えます。
5. 空いているスペースを打ち合わせに使う
倉庫として使っていた部屋や、執務スペースの一角を、立ったまま話せる打ち合わせの場所にする方法もあります。短い相談なら、扉のある会議室である必要はありません。ただし、人が長く過ごす部屋として使う場合は、次の章で説明する換気や照度の基準を確かめます。
6. 会議室の機材を整え、準備の時間を減らす
プロジェクター、カメラ、マイクがばらばらに置かれている会議室では、つなぐ作業だけで会議の最初の数分が過ぎ、予約の枠を長めに取る原因になります。機材をまとめ、誰が使っても同じ手順で始められるようにすると、会議の時間そのものを短くできます。
ホワイトボードと画面の共有、Web会議を1台で行える機器もあります。会議室の機材をまとめて見直したい場合は、ツナグバ掲載のWeb会議もできるオールインワンの電子ホワイトボードも比較の候補になります。
7. 外部の会議室やシェアオフィスを使う
研修や全体会議など、たまにしか使わない大人数の会議のために大きな部屋を持ち続ける必要はありません。貸し会議室や、時間単位で使えるシェアオフィスの会議室を使えば、必要なときだけ費用をかけられます。ただし、社外の場所では話の内容が周りに聞こえないか、画面がのぞかれないかに注意します。
小部屋やブースを作るときに確かめたい基準
空いている部屋を会議室やWeb会議の部屋に変えるときは、人が過ごす環境として問題がないかを確かめます。事務所の環境については、事務所衛生基準規則が基準を定めています。社員が常時働く部屋について、同規則は次のように定めています。
事業者は、労働者を常時就業させる室(以下「室」という。)の気積を、設備の占める容積及び床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。
出典:e-Gov法令検索「事務所衛生基準規則」
この基準は常時働く部屋についてのものですが、狭い部屋に人を詰め込まないための目安として、会議用の小部屋を作るときにも参考になります。
換気については、窓などの直接外気に向かって開放できる部分の面積を、常時床面積の20分の1以上にすることが定められています。換気が十分に行われる性能を持つ設備を設けた場合は、この限りではありません(出典:e-Gov法令検索「事務所衛生基準規則」)。窓のない倉庫を会議室に変える場合は、換気の設備があるかを確かめます。
空気調和設備を設けている場合は、空気中の二酸化炭素の含有率を100万分の1,000以下にすることや、室の気温を18度以上28度以下、相対湿度を40%以上70%以下にするよう努めることも定められています(出典:e-Gov法令検索「事務所衛生基準規則」)。小さな部屋に複数の人が長くいると、空気がこもりやすくなります。
照度は、一般的な事務作業で300ルクス以上、付随的な事務作業で150ルクス以上とされています(出典:e-Gov法令検索「事務所衛生基準規則」)。資料を読みながら話す会議室なら、照明が足りているかも確かめます。
このほか、間仕切りやブースを置くと、消防の設備や避難の経路に影響することがあります。賃貸のオフィスでは、工事や大型の什器の設置に、ビルの管理会社の承認が必要な場合も多いため、計画の早い段階で相談しておきます。
Web会議の場所を増やすときの情報管理
自席やオープンな打ち合わせスペースでWeb会議をするようになると、会話が周りに聞こえたり、画面がのぞかれたりするおそれが高まります。総務省は、テレワークセキュリティガイドラインや、中小企業の担当者向けのチェックリストを公表しています(出典:総務省「テレワークにおけるセキュリティ確保」)。
オフィスの中でも、取引先の情報や人事の話をする会議は扉のある部屋で行う、オープンな場所ではヘッドセットを使う、画面ののぞき見を防ぐフィルターを使う、といったルールを決めておきます。どの会議をどの場所で行ってよいかを決めておくと、会議室の予約の優先順位も付けやすくなります。
Web会議のツールやファイルの共有には、クラウドのサービスを使う会社が増えています。総務省の同じ調査では、クラウドサービスを一部でも利用している企業は83.5%でした(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。会議室の機材を選ぶときは、社内で使っているWeb会議のツールや共有の仕組みに合うかも確かめます。
対策を定着させる進め方
ルールを決めても、社員に伝わらなければ使われ方は変わりません。対策は、次の順で進めると定着しやすくなります。
- 調べた結果を社内に共有し、なぜ見直すのかを伝える
- 予約のルールや会議の長さの変更を、1か月ほど試してみる
- 試した後に、空予約の数や予約の埋まり方がどう変わったかを確かめる
- それでも足りない時間帯や部屋の大きさに絞って、設備や場所を増やす
先に設備を増やすと、使い方の問題が残ったまま、増やした部屋もすぐに埋まってしまうことがあります。使い方を変えた後の数字をもとに増やす量を決めると、無駄な投資を避けられます。会議室の担当者を決め、月に一度、予約の状況を見る時間を取っておくと、変化に早く気づけます。
どの対策から始めるか|判断の基準
調べた結果に合わせて、優先する対策を選びます。次の表を目安にしてください。
| 調べた結果 | 優先する対策 | 費用の考え方 |
|---|---|---|
| 空予約が多い | 予約のルールの見直し | ほとんどかからない |
| 1人のWeb会議で埋まっている | 1人用の場所、ヘッドセットの配布 | ブースは台数と種類で大きく変わる |
| 少人数の会議が多い | 大部屋の分割、小部屋の追加 | 工事の有無と規模で変わる |
| 準備に時間がかかる | 会議室の機材の見直し | 機器の種類と台数で変わる |
| 大人数の会議がたまにある | 外部の会議室の利用 | 使った回数だけかかる |
費用は、オフィスの広さ、工事の有無、機器の台数などの条件で大きく変わります。複数の方法の見積もりを取り、何回分の外部会議室の費用に当たるかなど、使う頻度と合わせて比べると判断しやすくなります。
反対に、すぐに設備を増やさなくてよいケースもあります。社員が少なく、予約が重なるのが月に数回だけの場合や、近くオフィスの移転や増床を予定している場合は、まず予約のルールと会議の進め方を見直し、様子を見るほうが無駄がありません。
会議室不足の対策チェックリスト
対策を始める前と、始めて1か月ほどたったときに、次の点を確かめます。

- 予約の記録と実際の利用を2週間ほど調べた
- 空予約を取り消すルールを決めた
- 会議の標準の長さを見直した
- 1人でWeb会議をする場所を決めた
- 部屋の大きさと会議の人数が合っているかを確かめた
- 機材の準備にかかる時間を減らした
- 小部屋を作るときの換気と照度を確かめた
- 話してよい内容と場所のルールを決めた
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よくある質問
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空予約を減らすには、どうすればよいですか?
開始から一定の時間がたっても使われていない予約を取り消すルールを決め、全員に知らせます。繰り返しの予約は定期的に見直します。予約の状況を誰でも見られるようにすると、使わない予約に気づきやすくなります。
Web会議用のブースを置くときの注意点は?
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会議室を増やさずに済む方法はありますか?
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