Web会議で相手の声が途切れる。自分の声が小さいと言われる。会議室から参加すると、キーンという音や声の反響が起きる。こうした音声の困りごとは、会議の進行を止め、聞き返しや言い直しの時間を増やします。

音声が聞こえにくい原因は、回線、マイク、周りの雑音、部屋の反響、ハウリングなど、いくつかに分かれます。原因が違えば、効く対策も変わります。

この記事では、Web会議の音声が聞こえにくい原因を症状から切り分ける方法と、在宅と会議室それぞれの対策を整理します。

あわせて、機材を選ぶときの判断基準と、機材を買い替えなくてよいケースもまとめました。社内の会議環境を見直すときの確認に使ってください。

Web会議の音声が聞こえにくい主な原因

Web会議の音声の困りごとは、症状から原因の見当をつけると、早く直せます。主な原因は次の6つです。

Web会議の音声が聞こえにくくなる主な原因を、回線、マイク、雑音、反響、ハウリングとエコー、端末の重なりの6つに分けて示した図
症状考えられる主な原因最初に試すこと
音が途切れる、遅れて届く回線が不安定、端末の負荷が高い有線接続にする、ほかのアプリを閉じる、映像を止める
自分の声が小さいと言われるマイクとの距離、入力の設定、使うマイクの選択の誤りマイクに近づく、設定で使うマイクと入力の音量を確かめる
周りの音が混ざる空調、キーボード、周囲の話し声を拾っている話さないときはミュート、雑音を抑える設定を使う
声がこもる、響く部屋の反響、マイクとの距離が遠い響きにくい部屋に移る、マイクを口元に近づける
キーンという音、自分の声が返るマイクがスピーカーの音を拾うハウリングやエコーヘッドセットを使う、スピーカーの音量を下げる
会議室だけで音が乱れる同じ部屋で複数の端末が音を拾い合う音声をつなぐ端末を1台にする

原因は1つとは限りません。たとえば、回線が不安定なうえに部屋が響いている、という重なりもよくあります。1つずつ条件を変え、相手に聞こえ方を確かめながら切り分けます。

自分の側の問題か、相手の側の問題かを分けることも大切です。複数の参加者のうち1人の声だけが聞こえにくいなら、その人の環境に原因があることが多くなります。全員の声が聞こえにくいなら、自分の回線やスピーカーを先に確かめます。

まず確かめたい基本の対策

機材を買う前に、いまの環境のまま確かめられることがあります。次の順に確認すると、多くの困りごとは原因が絞れます。

Web会議サービスの音声の設定を確かめる

パソコンに複数のマイクやスピーカーがつながっていると、意図しない機器が選ばれていることがあります。Web会議サービスの設定画面で、使うマイクとスピーカーが正しく選ばれているか、入力の音量が小さすぎないかを確かめます。

多くのWeb会議サービスには、会議の前に音声を試す機能や、雑音を抑える設定があります。会議の前にテストをすると、本番での聞き返しが減ります。

回線の状態を確かめる

音が途切れる、遅れて届く場合は、回線の状態を疑います。無線のWi-Fiよりも有線の接続のほうが安定しやすく、会議中だけでも有線に切り替えると改善することがあります。

同じ回線で大きなファイルのやりとりや動画の再生をしていると、Web会議に使える通信の量が減ります。会議中はほかの通信を控え、必要に応じて自分の映像を止めると、音声が安定しやすくなります。

話し方とマイクの位置を見直す

マイクから離れて話すと、声は小さくなり、部屋の響きや雑音の割合が増えます。マイクを口元に近づけ、はっきり話すだけでも聞き取りやすさは変わります。

複数人が同時に話すと、Web会議では声が重なって聞き取りにくくなります。話す順番を決め、話さないときはミュートにするのが基本です。

ミュートの使い方を決める

キーボードを打つ音、紙をめくる音、周りの話し声は、本人が思う以上に相手に届きます。話さないときはミュートにし、話すときだけ解除します。

ただし、ミュートの解除を忘れて話し始めることも起きます。発言の前に「ミュートを外してから話す」と会議の決まりにしておくと、言い直しが減ります。

会議室から複数人で参加するときの対策

会議室から複数人で参加する場合は、個人で参加するときとは違う困りごとが起きます。代表的なのが、ハウリングとエコー、そして部屋の響きです。

音声をつなぐ端末は1台にする

同じ部屋で複数の参加者がそれぞれのパソコンから音声をつなぐと、ある端末のスピーカーの音を別の端末のマイクが拾い、ハウリングやエコーが起きやすくなります。

会議室では、音声をつなぐ端末を1台にまとめ、ほかの端末はマイクとスピーカーを切って参加するのが基本です。資料を自分の画面で見たいだけなら、音声なしで参加できます。

会議室用のマイクとスピーカーを使う

パソコンに付いているマイクは、目の前の1人の声を拾うことを前提にしたものが多く、会議室の全員の声を拾うのは苦手です。会議室では、参加人数と部屋の広さに合った会議用のマイクとスピーカーを使います。

会議用の機器を選ぶときは、スピーカーの音をマイクが拾わないようにするエコーキャンセルの機能と、周りの雑音を抑える機能があるかを確かめます。広い部屋や大人数の会議では、マイクを増やせるかどうかも確認しておきます。

部屋の響きを抑える

壁や天井、窓がかたい素材の部屋は、音が反響しやすく、声がこもって聞こえます。カーテンを閉める、使っていない椅子や物を置かない、マイクを壁から離す、といった工夫で響きが和らぐことがあります。

響きが強い部屋は、そもそもWeb会議に向いていないこともあります。社内に複数の会議室がある場合は、Web会議に使う部屋を決めておく方法もあります。

会議室の機材をまとめる

会議室には、プロジェクター、マイク、スピーカー、カメラ、ホワイトボードと、多くの機材が置かれがちです。接続の手順が複雑だと、会議の始めに時間がかかり、つなぎ方の誤りから音声の不具合も起きます。

機材が多すぎて会議の準備に時間がかかっている場合は、ホワイトボード、画面共有、Web会議を1台でこなせるツナグバ掲載のWeb会議もできる、オールインワンの電子ホワイトボードのように、会議室の機材をまとめる方法も比較の候補になります。

在宅・テレワークで参加するときの対策

在宅で参加する場合は、家族の声や生活の音、部屋の響き、家庭の回線など、会社とは違う条件が重なります。テレワークは多くの企業で使われるようになりました。総務省の調査では、テレワークを導入している企業の割合が半数を超えています。

総務省の令和7年通信利用動向調査による、資本金規模別のテレワークを導入している企業の割合を示した棒グラフ

テレワークを導入している企業の割合は50.1%となり、前年から2.8ポイント増加した。

出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」

この調査では、今後導入する予定がある企業は3.0%、導入しておらず具体的な予定もない企業は46.9%とされています(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。資本金の規模が大きい企業ほど導入の割合が高く、資本金1,000万円未満では19.5%、50億円以上では88.3%です(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。そのほかの区分は、1,000万〜3,000万円未満が35.9%、3,000万〜5,000万円未満が45.6%、5,000万〜1億円未満が49.7%、1億〜5億円未満が69.1%、5億〜10億円未満が75.4%、10億〜50億円未満が81.9%です(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)。

ただし、この調査の対象は常用雇用者が100人以上の企業です(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査 調査の概要(企業編)」)。従業員の少ない会社の状況とは違う可能性がある点に注意して読みます。

自宅で使う機材を決める

在宅では、ヘッドセットやマイク付きのイヤホンを使うと、スピーカーの音をマイクが拾わないため、ハウリングやエコーが起きにくくなります。口元の近くで声を拾えるため、生活の音も入りにくくなります。

一方で、長い時間の会議では、耳への負担を感じる人もいます。音量を上げすぎないこと、会議の合間に外すことも、あわせて社内で伝えておくとよいでしょう。

作業環境と費用の負担を決めておく

自宅の環境では会議に参加しにくい社員もいます。厚生労働省のテレワークのガイドラインは、自宅などの作業環境について、次のように述べています。

必要な場合には、労使が協力して改善を図る又は自宅以外の場所(サテライトオフィス等)の活用を検討することが重要である。

出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」

同じガイドラインは、テレワークによって労働者に過度の負担が生じることは望ましくないとし、費用負担の取扱いについてあらかじめ労使で十分に話し合い、企業ごとの状況に応じたルールを定めて就業規則等に規定しておくことが望ましいとしています(出典:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」)。ヘッドセットなどの機材を会社が貸すのか、社員が用意するのかも、決めておくと迷いが減ります。

話している内容が周りに聞こえることにも注意する

自宅やカフェなどから参加すると、自分の声が周りの人に聞こえます。取引先の名前や個人の情報を話す会議では、場所を選ぶ必要があります。

総務省は、テレワークのセキュリティ対策をまとめた「テレワークセキュリティガイドライン」を公表しています(出典:総務省「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」)。総務省のページには、中小企業の担当者向けの手引き(チェックリスト)や、主要なWeb会議サービスの設定を解説する資料も掲載されています(出典:総務省「テレワークにおけるセキュリティ確保」)。手引き(チェックリスト)は、令和4年5月に第3版が公表されています(出典:総務省「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)第3版」)。

IPAも、Web会議サービスを使う際のセキュリティ上の注意事項を公表しています。サービスを選ぶときに考えたい点として、会議データの所在や暗号化、参加者の確認・認証の方式が挙げられています(出典:情報処理推進機構(IPA)「Web会議サービスを使用する際のセキュリティ上の注意事項」)。音声の聞き取りやすさとあわせて、安全に使えるかも確かめておきます。

機材を選ぶときの判断基準

設定や話し方を見直しても改善しない場合は、機材を見直します。機材の種類は、使う場面によって向き不向きがあります。

Web会議の音声機材を選ぶときに確かめたい7つの点をまとめたチェックリスト
機材の種類向いている場面気をつけたい点
ヘッドセット、マイク付きイヤホン在宅や個人の席からの参加長時間の装着の負担、無線の場合は電池と接続の安定
USBなどで接続する卓上のマイク個人の席、話す人が1人の場面スピーカーの音を拾わないよう、置き方に注意
スピーカーフォン(マイクとスピーカーが一体)少人数の会議室、打ち合わせスペース部屋の広さと人数に合うか、マイクを増やせるか
会議室に備え付ける会議システム大人数の会議室、定例の会議が多い部屋導入と設置の手間、使い方を覚える人を決める

機材を選ぶときは、機能の多さより、使う部屋と人数に合うかを先に考えます。小さな部屋に大きな会議システムを入れても、使いこなせなければ意味がありません。

費用の考え方

費用は、機材の種類、部屋の数、設置の工事の有無、保守の契約で大きく変わります。個人用のヘッドセットと、会議室に備え付ける会議システムとでは、費用の桁が変わることもあります。

比べるときは、機材の価格だけでなく、設置、設定、社内への説明、故障したときの対応まで含めて考えます。部屋ごとにばらばらの機材を買いそろえるより、よく使う部屋から順に整えるほうが、費用の見通しを立てやすくなります。

導入する前に試す

音の聞こえ方は、部屋の広さや響き、参加人数で変わります。可能であれば、実際に使う部屋で試してから決めます。試すときは、自分の側の聞こえ方だけでなく、相手の側でどう聞こえるかを確かめることが大切です。

聞き取りにくさへの配慮と会議の運用ルール

音声の聞き取りやすさは、機材だけでなく、会議の進め方でも変わります。参加者の中には、聴覚に障害がある人や、聞き取りに時間がかかる人もいます。

障害者差別解消法の改正により、事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務となりました。改正法は、令和6年4月1日に施行されています(出典:内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進」)。内閣府は、合理的配慮について次のように説明しています。

合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものです。

出典:内閣府「合理的配慮等具体例データ集(合理的配慮サーチ)」

内閣府は、合理的配慮の具体例を検索できるデータ集も公開しています(出典:内閣府「合理的配慮等具体例データ集(合理的配慮サーチ)」)。Web会議では、字幕の表示や、チャットでの補足、資料の事前共有など、参加者に合わせた方法を本人と相談して決めていきます。

誰にとっても聞き取りやすい会議にするため、次のような運用ルールを決めておくと効果的です。

  • 会議の前に、マイクとスピーカーのテストをしておく
  • 話す人は名乗ってから話し、1人ずつ話す
  • 話さないときはミュートにする
  • 聞こえにくいときは、遠慮せずチャットで伝える
  • 大事な数字や決定事項は、チャットや議事録で文字でも残す
  • 会議室から参加するときは、音声をつなぐ端末を1台にする

機材を買い替えなくてよいケース

音声の困りごとがあっても、すぐに機材を買い替える必要があるとは限りません。次のような場合は、まず設定や運用の見直しで十分なことがあります。

  • 特定の1人だけが聞こえにくく、その人の設定やマイクの選択の誤りが原因だった
  • 会議室で複数の端末から音声をつないでいたことが原因だった
  • 回線を有線にする、映像を止めるといった対応で改善した
  • Web会議が月に数回しかなく、困るのも一部の会議に限られる

反対に、毎日のように会議室でWeb会議をしている、会議の準備に毎回時間がかかる、取引先との商談で聞き返しが多い、といった場合は、機材の見直しを検討する価値があります。困りごとが起きている頻度と、そのたびに失われている時間を考えて判断します。

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ツナグバで、会議室の機材を見直すサービスを比べる

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通信・IT機器の分野では、Web会議もできるオールインワンの電子ホワイトボードを掲載しています。ホワイトボード、画面共有、Web会議を1台でこなせる大型ディスプレイで、会議室の機材をまとめられます。会議・打ち合わせを効率化したい企業に向いています。

部屋の広さや使い方に合うか、導入の条件は、資料で確認できます。

こんな課題があれば

  • 会議室にプロジェクター、カメラ、マイクがばらばらにあり、準備に時間がかかる
  • Web会議の参加者とホワイトボードの内容を共有しにくい
  • 会議で書いた内容が残らず、写真を撮って共有している

掲載サービスでできること

  • ホワイトボードと画面共有を1台で行える:大型の画面に直接書き込んだり、パソコンの画面を映したりできます。会議室の機材を減らせます。
  • Web会議にも使える:カメラやマイクを備え、Web会議に使えるものが一般的です。対応する会議ツールは製品によって違うため、資料で確認してください。
  • 書いた内容を保存・共有できる:画面に書いた内容をデータとして保存できるものが一般的です。会議後に参加者へ共有しやすくなります。

資料で確かめたいこと

  • 画面の大きさと、会議室の広さに合うか
  • 今使っているWeb会議ツールに対応しているか
  • 本体価格、設置費用、保守の費用の内訳
  • 設置の方法(壁掛けか、スタンドか)
  • 故障時の保証と、サポートの窓口

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よくある質問

相手の声だけが聞こえにくいときは、どうすればよいですか?

1人の声だけが聞こえにくい場合は、その人の側に原因があることが多くなります。マイクとの距離、使っているマイクの選択、回線の状態を、本人に確かめてもらいます。全員の声が聞こえにくい場合は、自分のスピーカーや回線を先に確かめます。

ハウリングが起きたときは、まず何をすればよいですか?

同じ部屋で複数の端末が音声をつないでいないかを確かめ、1台以外はマイクとスピーカーを切ります。それでも続く場合は、スピーカーの音量を下げる、マイクとスピーカーを離す、ヘッドセットを使う、といった対応を試します。

無線のイヤホンと有線のヘッドセットは、どちらがよいですか?

どちらにも向き不向きがあります。無線は動きやすい一方で、電池の残りや接続の安定に気をつける必要があります。接続の安定を重視するなら有線も比べます。いま使っているWeb会議サービスや端末で使えるかも確かめてください。

会議室の機材は、どの部屋から見直すべきですか?

Web会議に使う回数が多い部屋、取引先との打ち合わせに使う部屋から見直すのが基本です。すべての部屋を一度に整えるより、よく使う部屋で試し、使い方を社内に広げてからほかの部屋に進めると、無駄が出にくくなります。

参考資料