外国人の応募者を初めて面接する。何を聞けばよいのか、聞いてはいけないことは何か、迷う担当者は少なくありません。

外国人の面接では、日本人の面接と同じく、仕事に必要な能力と適性を確かめることが基本です。そのうえで、在留資格の確認という、日本人の採用にはない手順が加わります。

この記事では、面接の前に在留カードで確かめる項目、面接で聞くべき質問の例、聞いてはいけない質問を順に整理します。日本語力の確かめ方や、採用した後の届出もまとめました。

自社で進められることと、外部の支援を使ったほうがよいケースの判断の基準も取り上げます。面接の準備に使ってください。

外国人の面接の前に知っておきたいこと

外国人を雇う会社は増えています。厚生労働省のまとめでは、2025年10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人で、前年より268,450人増えました(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」)。

2025年10月末時点の在留資格別の外国人労働者数を、専門的・技術的分野、身分に基づく在留資格、技能実習、資格外活動、特定活動で比べた棒グラフ

同じ資料は、増加の状況を次のようにまとめています。

外国人労働者数は2,571,037人で前年比268,450人増加し、届出が義務化された平成19年以降、過去最多であり、対前年増加率は11.7%と前年の12.4%から0.7ポイント減少。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」

外国人を雇う事業所の数も371,215所で、前年より29,128所増えています(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」)。在留資格別では、専門的・技術的分野が865,588人で最も多く、身分に基づく在留資格が645,590人、技能実習が499,394人と続きます(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」)。

在留資格によって、できる仕事の範囲や働ける時間が違います。面接では、応募者の在留資格で、募集している仕事ができるかを確かめることが欠かせません。

面接の前に|在留カードと在留資格を確かめる

日本に中長期間住む外国人には、在留カードが交付されます。出入国在留管理庁は、在留カードには氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、就労の可否などが記載されていると説明しています(出典:出入国在留管理庁「在留カードとは?」)。

外国人の面接の前に在留カードで確かめる、本人の一致、在留資格、在留期間、就労制限、資格外活動許可、失効の6項目のチェックリスト

在留カードで確かめる項目

面接の日に、在留カードの原本を持ってきてもらうよう伝えておきます。写しだけで判断せず、原本で次の項目を確かめます。

  • 氏名と顔写真が本人と一致するか
  • 在留資格の種類
  • 在留期間(満了日)が入社日より後か
  • 就労制限の有無
  • 裏面の資格外活動許可の有無
  • 失効していないか

在留カードの偽変造を見分けるため、出入国在留管理庁は在留カード等読取アプリケーションを提供しています。アプリでは、就労制限の有無や、資格外活動許可を受けているときはその旨が表示されると案内されています(出典:出入国在留管理庁「在留カードとは?」)。失効情報の照会の方法も、専用のページで案内されています(出典:出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション サポートページ」)。

仕事の内容が在留資格に合っているか

在留カードに就労の制限が書かれている場合は、その在留資格で認められた範囲の仕事しかできません。募集している仕事の内容が、応募者の在留資格で認められた活動に入るかを確かめます。判断に迷うときは、出入国在留管理庁の窓口や、専門家に相談します。

確認をしないで雇ったときのリスク

在留資格で認められていない仕事をさせた場合、雇った会社も罰せられることがあります。出入国管理及び難民認定法は、事業活動に関して外国人に不法就労活動をさせた者などを、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方に処するとしています(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」)。いわゆる不法就労助長罪です。

同じ条文には、次の定めもあります。

前項各号に該当する行為をした者は、次の各号のいずれかに該当することを知らないことを理由として、同項の規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。

出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法」

「知らなかった」だけでは処罰を免れられないということです。在留カードを原本で確かめ、確認した記録を残しておくことが、会社を守ることにもつながります。

留学生などのアルバイトの場合

留学や家族滞在の在留資格の人は、原則として働けません。資格外活動の許可を受けている場合に、許可の範囲で働けます。入管法の施行規則では、包括的な許可の内容として1週について28時間以内とする定めがあります(出典:e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法施行規則」)。

ほかの勤務先でもアルバイトをしている場合は、合計の時間で考える必要があります。面接では、ほかの勤務先の有無と、週に何時間働いているかを確かめます。

面接当日の進め方

外国人の面接では、進め方を少し工夫するだけで、応募者が本来の力を出しやすくなります。次の順で進めます。

  1. 前日までに連絡する:日時、場所、持ち物(在留カードの原本など)を、短い文で書面やメールでも伝えます。
  2. 冒頭で流れを説明する:面接の時間と、何を聞くかを先に伝えます。
  3. 在留カードを確かめる:原本で項目を確かめ、確認した日と担当者を記録します。
  4. 質問をする:仕事に関係する質問に絞り、ゆっくり短い文で聞きます。
  5. 仕事と条件を説明する:仕事の内容、給与、勤務の時間、休日を具体的に伝えます。
  6. 結果の連絡の時期を伝える:いつまでに、どの方法で連絡するかを伝えます。

給与や勤務の時間などの条件は、口頭だけでなく書面でも示すと誤解を防げます。労働基準法は、労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示することを使用者に義務づけています(出典:e-Gov法令検索「労働基準法」)。

外国人の面接で聞くべき質問例

在留資格を確かめたら、仕事に必要な能力と適性を確かめる質問に移ります。質問は、仕事に関係することに絞ります。

在留資格と入社の時期を確かめる質問

  • 在留カードに書かれている在留期間の満了日はいつですか。
  • 在留資格の変更や更新の予定はありますか。
  • いつから勤務できますか。
  • いまほかの会社で働いていますか。週に何時間ですか。

在留資格の変更が必要な場合は、手続きの期間も見込んで入社日を決めます。

日本語力とコミュニケーションを確かめる質問

  • これまでの仕事の内容を、具体的に説明してください。
  • この仕事の手順を聞いて、説明し直してみてください。
  • 仕事でわからないことがあったとき、どうしていましたか。

答えの内容だけでなく、質問の意図を理解できているか、聞き返しができるかも見ます。

仕事の経験と能力を確かめる質問

  • 前の職場で、どのような仕事を担当していましたか。
  • その仕事で工夫したこと、うまくいかなかったことは何ですか。
  • この仕事で、これまでの経験をどう生かせると考えますか。

働く条件とキャリアを確かめる質問

  • 勤務の時間や曜日、勤務地の条件で、難しいものはありますか。
  • 入社した後、どのような仕事をしていきたいですか。
  • 給与や働き方について、確かめておきたいことはありますか。

働く条件は、面接で会社側からも具体的に説明します。食い違いを入社の前に解消しておくと、早い時期の離職を防ぎやすくなります。

聞いてはいけない質問|公正な採用選考の考え方

外国人の面接でも、日本人の面接と同じく、公正な採用選考が求められます。厚生労働省は、その考え方を次のように説明しています。

就職の機会均等とは、誰でも自由に自分の適性・能力に応じて職業を選べることですが、このためには、雇用する側が公正な採用選考を行うことが必要です。

出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」

厚生労働省は、採用選考で配慮すべき事項として、本人に責任のない事項の把握と、本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握を挙げています(出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。

外国人の面接で、働ける期間、日本語力、勤務の条件、入社の時期について、聞き方の例と避けたい聞き方を比べた表

本人に責任のない事項

本籍・出生地、家族(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)、住宅の状況、生活環境・家庭環境に関することは、本人に責任のない事項とされています(出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。外国人の面接では、出身地や家族について話題にしがちなので注意します。

本来自由であるべき事項

宗教、支持政党、人生観や生活信条、尊敬する人物、思想、労働組合や社会運動、購読新聞・雑誌・愛読書に関することは、本来自由であるべき事項とされています(出典:厚生労働省「公正な採用選考の基本」)。宗教に関することは、外国人の面接で特に聞いてしまいやすい項目です。

勤務の条件として確かめたいことがある場合は、宗教を聞くのではなく、勤務の時間や曜日、仕事の内容で対応できるかを聞きます。

確認したいこと聞き方の例避けたい聞き方
働ける期間在留期間の満了日はいつですかいつ母国に帰るつもりですか
日本語力この手順を説明してみてください両親は日本語を話せますか
勤務の条件土日や夜の勤務はできますかどの宗教を信仰していますか
入社の時期いつから勤務できますか家族の仕事や収入を教えてください

帰国の予定そのものは厚生労働省の例示にはありませんが、人生の計画にかかわる問いです。働ける期間を確かめたいときは、在留期間の満了日や、入社した後のキャリアの希望として聞くほうが、仕事との関係がはっきりします。

個人情報の集め方にも決まりがある

職業安定法では、求人者が求職者の個人情報を集めるときは、業務の目的の達成に必要な範囲で、目的を明らかにして集めることとされています(出典:e-Gov法令検索「職業安定法」)。応募書類の項目や、面接で控える内容も、仕事に必要な範囲に絞ります。

日本語力の確かめ方

日本語力は、仕事に必要な水準を先に決めてから確かめます。お客様と話す仕事と、決まった手順の作業が中心の仕事では、必要な日本語力が違います。

  • 仕事で使う場面を決める:電話、接客、書類の作成、口頭の指示の理解など
  • 面接で実際に試す:仕事の手順を伝えて説明し直してもらう、短い文章を読んでもらう
  • 資格の点数だけで決めない:点数と、実際の会話の力が一致しないこともあります

面接の担当者が早口になったり、専門用語を使いすぎたりすると、本来の力が分かりにくくなります。ゆっくり、短い文で話し、必要に応じて言い換えます。

オンライン面接と海外に住む人の面接

海外に住む人を採用する場合は、オンラインで面接することが多くなります。時差を確かめて日時を決め、使う会議のツールと接続の確認の方法を、事前に伝えておきます。

海外から呼び寄せる場合は、内定の後に在留資格の手続きが必要になり、入社までに時間がかかります。入社の時期は、手続きの期間を見込んで余裕をもって決めます。手続きの詳細は、出入国在留管理庁の案内や専門家に確認します。

採用した後の手続き|外国人雇用状況の届出

外国人を雇い入れたときと、離職したときは、ハローワークへの届出が必要です。労働施策総合推進法は、事業主に、新たに外国人を雇い入れた場合や離職した場合に、氏名や在留資格、在留期間などを確認して届け出ることを義務づけています(出典:e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」)。

厚生労働省は、外国人の雇入れと離職の際に、全ての事業主が届け出る必要があると説明しています(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」について」)。届出の対象は、在留資格「外交」「公用」の人と特別永住者を除く外国人です(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」について」)。

雇用保険の扱い雇入れの届出の期限離職の届出の期限
雇用保険の被保険者翌月10日まで翌日から起算して10日以内
被保険者でない場合翌月末日まで翌月末日まで

雇用保険の被保険者になる人は、雇用保険の資格取得届や喪失届を出すことで届出になります(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」について」)。届出を怠ったり、虚偽の届出をしたりした場合は、30万円以下の罰金の対象になるとされています(出典:厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」について」)。

外国人材の採用の手順や、送り出しの国の事情に詳しい外部の支援を使う方法もあります。たとえば、ツナグバ掲載の外国人材(ミャンマー)の採用支援は、ミャンマーの人材を日本の企業に送り出す機関と連携した採用支援です。

自社で進めるか、支援を使うか|判断の基準

外国人の採用は、自社だけで進めることもできます。次の点を目安に、外部の支援を使うかどうかを判断します。

  • 在留資格の確認や届出を、社内で担当できる人がいるか
  • 募集する仕事に合う在留資格を、自社で判断できるか
  • 海外に住む人を採用するのか、日本に住む人を採用するのか
  • 面接や入社後の説明を、相手が分かる日本語や言語で行えるか

日本に住んでいて、すでに働ける在留資格を持つ人を採用する場合は、自社で進めやすくなります。海外から呼び寄せる場合や、初めて外国人を雇う場合は、採用支援や専門家の力を借りることも検討します。

費用は、支援の形や職種、採用する人数、海外から呼び寄せるかどうかで大きく変わります。公的な相場はないため、複数のサービスの資料で、費用がかかる時点(登録、紹介、入社など)と、費用に含まれる範囲(書類の作成の支援、入社後の相談など)を比べます。

外国人の採用を急がなくてよいケース

  • 仕事の手順書や教える担当者がなく、日本人の新人でも定着しにくい状況にある
  • 入社後の住まいや生活の相談に、誰も対応できない
  • 募集している仕事の内容が、どの在留資格に当たるか整理できていない

こうした場合は、採用の前に受け入れの体制を整えることが先です。採用の手段を変える前に、仕事の内容と教え方を整理すると、外国人に限らず採用全体の定着に役立ちます。

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よくある質問

面接で国籍を聞いてもよいですか?

在留資格や在留期間は、働けるかどうかを確かめるために必要な確認です。一方で、国籍や出身地を採否の判断に使うことは、公正な採用選考の考え方にそぐいません。在留カードで必要な事項を確かめ、面接の質問は仕事に関係することに絞ります。

在留カードのコピーをとって保管してもよいですか?

外国人雇用状況の届出では、在留カードなどの提示を求めて事項を確認し、写しの添付は不要とされています。写しを保管する場合は、目的を本人に伝え、個人情報として適切に管理します。

留学生をアルバイトで採用するときの注意点は?

資格外活動許可の有無を在留カードの裏面で確かめます。包括的な許可は1週について28時間以内が定められているため、ほかの勤務先と合わせた時間を確認します。

日本語の資格を持っていない人は、採用しないほうがよいですか?

資格がなくても、仕事に必要な日本語を話せる人はいます。仕事で使う場面を決め、面接で実際に試して確かめるのが確実です。

参考資料